fc2ブログ

X-DAY黙示録


制作年: 2016年
本編時間:86分
原題: DAY OF RECKONING
配給:ニューセレクト
レンタル開始時期:2017年6月
監督: ジョエル・ノヴォア
出演:ジャクソン・ハースト
ヘザー・マコーム
ジェイ・ジェイ・ウォーレン
ハナ・ヘイズ
ニック・ゴメス
レイモンド・J・バリー
バーバラ・クランプトン




【あらすじ】
今から15年前の月食の日。突如海洋生物の遺体が各地で座礁し、陸上動物たちが大移動を始めた。そして、時を同じくして地下から禍々しき魔物の大群が現れ、人々を襲い始めた。その現象は世界各地で起こり、1日で何百万人もの人間がなすすべもなく喰い殺されたという―。そして現代。当時の凄惨な記憶は残りつつも、生き残った人々の生活は日常に埋没していた。高校生のタイラーにとっては、記憶にも残っていなかった。しかし15年ぶりの月食の日。タイラーが離れて暮らす父の元へ向かう途中、世界各地で異変が起き始める…。




地下から湧いてきた魔物の大群により世界中がなすすべなく蹂躙されるモンスター・パニック映画!
圧倒的な勢力に太刀打ちできずに焦土と化す地上で生き残りをかけた退避と籠城戦が描かれるハイテンションな作品です!


他所での評価はこのようになっています。参考にどうぞ。
Yahoo!映画:★★★★(4点)
Filmarks:★★☆(2.4点)
(この記事を更新した時点での評価です)

記事を読む で映画を観た人向けのネタバレ詳細レビュー!

■内容
 ▶【予告編】
 ▶【この映画を楽しむポイント】
 ▶【ジャケットデザイン】
 ▶【15年ごとの黙示録】
 ▶【魔物出現】
 ▶【魔物とは考えず災厄と考える】
 ▶【ゲート管理がガバガバ】
 ▶【避難所は満員】
 ▶【判断をミスる眼鏡】
 ▶【砂漠のシェルターで籠城戦】
 ▶【狂気の伝染】
 ▶【個人的感想(※ネタバレ)】





【予告編】




【この映画を楽しむポイント】



◆出現し過ぎな魔物の大群
◆冒頭から出し惜しみなく見せるクリーチャーデザイン
◆説明されない設定の謎を想像することができる
◆魔物出現の予兆が次々と重なって“その瞬間”が訪れるハラハラ感
◆まったく対策が取れていないゲート管理へのツッコミ
◆避難所予約制度完全無視しだす政府の対応へのツッコミ
◆眼鏡の判断ミス
◆悪に染まる人間もいるという敵は魔物だけじゃない展開
◆どうやって生き残るか



【ジャケットデザイン】


第一印象はジャケットデザインで決まる。
本作はまさにそれを体現した良デザインだと思う。
ポイントは“大・群・襲・来”のキャッチコピーが目を惹きつける。
そして魔物が大量に描かれているが嘘でも誇張でもなく本当にこのようなシーンがあるから素晴らしい。
海外版も似たようなものだが魔物が背景のように描かれていてわかりづらい印象を受ける。
月蝕という設定も盛り込まれた日本版ジャケットデザインは見事だ。
X-DAY黙示録
タイトルは『X-DAY黙示録』
便乗していないオリジナリティがあって良い。
とはいえやや大・群・襲・来のインパクトに霞み気味だ。
原題は『DAY OF RECKONING』
意味は“報いの日”あるいは“神罰の日”みたいなニュアンスだろう。
いったい何に対する罰なのか作中では語られていない。
なにやら含みを持たせたタイトルだが作品のテーマと合っていないように思う。
“魔物の軍勢”的な意味のタイトルで充分だと思う。


【15年ごとの黙示録】


そんな本作はどんな映画かと言えば、魔物が大量に現れて人類を蹂躙し地上を焦土とする映画だ。
傍迷惑極まりない設定となっている。
なんで魔物が現れるの?
誰もが疑問に思うだろう。
なんとタチの悪いことにこの魔物が現れる理由が説明されていないのだよ。
誰もわかっていない未知の脅威として描かれている。
作中でも「審判の日」と言われていたりもする。
それこそ原題が示す「報いの日」とも言える。
そしてこれが邦題の「黙示録」だ。
今までいろいろな黙示録映画が作られてきただろうが本作は魔物の襲来による黙示録映画なのだ。
決まっているルールはひとつだけ。
15年毎に訪れるということだ。
15にはなにか意味があるのだろうが聖書などの理解がない僕にはわからない。
そして、きっとまた15年後に起こるのだろう。
やったね続編作れるよ!

X-DAY黙示録

【魔物出現】


本作の魔物は地中深くからやって来る。
『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』では悪魔は地の底からでなく空からやってくると言われたが、本作では地の底からやってくる。
地の底とはどこなのか?
みなさんご存じのとおり地球の中心にはマントルがありコアと呼ばれる熱いところがある。
魔物の居場所など無いに等しい。
しかし奴らは隠れているのだ。
それも大量に。
そして世界中で同時に湧きだしてくるのだ。
この現象に対する説明も本作には一切ない。
物理的に考えるならば地中には大きな空洞が至る所に存在する『ドラえもん のび太の竜の騎士』の地下空洞説のような世界があるのかもしれない。
あるいは非科学的に考えるなら異次元につながるワームホールがあるのかもしれない。
夢が広がるが説明は一切ない。

X-DAY黙示録

【魔物とは考えず災厄と考える】


魔物は全身黒く禍々しい存在として描かれる。
言うまでもなくこんな生き物は存在しない。
しかし形状は地上の生物を模している。
人型もいれば、牛獣型や蛇型など多彩だ。
各フィールドに適した形状として現れているのだろうことが分析できる。
中には翼竜型なんてのもいる。
問題はなぜ人を襲うのか謎なことだ。
捕食のためではないことはなんとなく察する。
つまり意図的に全類を殲滅するために送り込まれたということになる。
なんらかの悪の意思によって人類抹殺計画が密かに始動したのだ。
しかしそのすべては謎。

魔物の出現理由も何処から来たのかも存在もこの映画は謎だらけやないか!

だからこそある種の災厄として考えるのが適しているのかもしれない。

X-DAY黙示録

【ゲート管理がガバガバ】


魔物が出現するための通路としてゲートと呼ばれる場所がある。

そんなものがご丁寧にあるならソコをふさげば良くね?

誰もが思いそうなものだが…本作は何故か開けっ放しなのだ。
仮にゲートをふさいだら、地面を掘り進んで別の場所から出てきて被害が拡大するかもという可能性はある。
しかしバカ正直に扉を開けっ放しにしておく必要はない。
この魔物には塩に弱いという明確な弱点がある。
ならばゲートの出口側に塩水放水しておけば魔物の通過を抑制できるし、そのまま全滅もできるのではないのか?
安易な発想ではあるけど効果はあると思う。
さすがに本作のゲート管理はザルすぎてバカかと思うぞ(笑)

X-DAY黙示録

【避難所は満員】


魔物が出現したことによって人類はどうしなければならないのか?
戦って勝てる相手なら軍にどうにかしてほしいところだ。
しかし戦って勝てない相手なようだ。
だがこの魔物にも時間制限が設けられている。
どうやら24時間しか地上に出られないようだ。
ならばこの24時間を耐えればいい。
そこで政府が取った手段が地下シェルターによる避難所案だ。
地上が荒らされるのは諦めるとして命だけでもという苦渋の決断。
しかしそんな大勢逃げ込めるだけの空間を準備できるわけがなかった。
そのため避難所は完全予約制となっている。
自衛できる人は極力自衛してくれというスタンス。
被災地の避難所もなんだかんだで人が漏れたりするし仕方がない事だと思う。
だが、本作の問題はそこではない。
避難所の人員がいっぱいになるから先着順で、さらに女性と子供しか入れないと言われる。
言い変えるならば「野郎は死ね」
さらに「予約?知らないよ」
避難所の収容人数の見積もりはどうなっていたのか?
予約完全無視な上に収容者の選別まで始めやがった。

ふざけるな政府!

X-DAY黙示録

【判断をミスる眼鏡】


ストーリー上の都合で避難所に入れなかった主人公たちがどうやって生き残っていくのかが本作のメインプロットです。
大事なのは安全な場所。
そう、安全な場所だ。
代わりの案として叔父のシェルターへ向かうことになるが、それがあるなら初めから向かっておけば良かっただろ!となる。
それもこれも妻に好意的な眼鏡が勝手に避難所を予約したと判断をミスるからこうなる。
予約を無視された時点でお前は何を予約していたんだと。
もちろんそんなみんなの生死を分ける大事な方針決定をかき乱す眼鏡は主人公にぶん殴られた後に翼竜型に喰われるという末路を迎える。
これでスッキリしたと思った束の間、眼鏡の置き土産である車がガス欠となる。
このせいで車を盗まざるをえなくなった。

X-DAY黙示録

【砂漠のシェルターで籠城戦】


最後の希望である叔父のシェルターにすんなり入れればそれでよかった。
だが応答がない。
叔父呼びかけにガン無視でハラハラさせる。
それには理由があり、シェルターには先客がいてはぐれ軍人が叔父を脅していたのだ。
このはぐれ軍人は仲間たちとはぐれて偶然見つけたシェルターに助けられた恩を仇で返すようなクズ野郎でシェルターを支配していた。
魔物の群れが押し寄せる中ギリギリで入室を許可されて一安心かと思えば中でははぐれ軍人と主導権争いを描くことになる。
単純に籠城展開だけだと飽きられると考えた末の展開だろう。
敵は魔物だけじゃないというスタンスはなかなか良かったと思う。

X-DAY黙示録

【狂気の伝染】


この映画の魔物の持つ特殊な能力のひとつに噛みついた人間は徐々に理性を失うというものがある。
それは毒のような感染症のようなもので凶暴化感染ホラーの要素も含んでいる設定にはおもしろいと思った。
しかしその要素はほんの少し使われる程度でメインの脅威としては描かれていない。
魔物の攻撃によって暴徒が生まれ人々が次々に殺し合いを始めるというのもおもしろいとは思うが。
ちょっと設定を活かしきれていなかった気がしますね。

X-DAY黙示録

【個人的感想(※ネタバレ)】


本作は15年周期で地上にわいてきて無慈悲な襲撃をかます大量の魔物の暴虐の限りを描いた作品でした。
キャッチコピーの表示される通り“大・群・襲・来”が魅力であり、本作最大の特徴だと思う。
それは大袈裟で誇張な嘘コピーではなく本当に大群が来るからすごい。
従来の低予算なモンスター・パニック映画ではここまでの物量を描くなど到底できなかっただろう。
それだけに感銘を受けるくらいにすごい。
しかも数が多いだけでなく魔物の種類もいろいろといるのが良い。
翼竜型や牛獣型、蛇型に人型などデザインも多種多様で観ていておもしろい。
共通するのは黒く禍々しいという点。
まさしくダークモンスター感があり中二心を刺激する。
これらのダークモンスターが画面狭しと暴れまわると言えばこの映画がおもしろいとわかってもらえるはず。
しかし残念な部分も必ず存在する。
魔物のデザインと物量は頑張ってくれているが1体1体のCGが雑でちゃっちぃ。
そして人に直接襲いかかるシーンが少なく遠目で暴れている様子を見せるシーンが多い。
人類VS大量の魔物という終末戦争っぽさを期待しているとガッカリしてしまう。
だが低予算ゆえにこれは仕方のない事だとは理解できる。
魔物要素以外では、主人公たちが終始逃げ隠れするだけの展開というのが少々拍子抜けだ。
もっともそういう映画だというのは観始めてわかることだったが、この作品のイメージとしては“突如出現した魔物の大群に人類が存亡をかけて立ち向かう”みたいなのを期待していただけに反動が大きかった。
まさかの主人公が一般人で目的が避難という映画だったのだ。
大型の銃器を持ってドッカンドッカン戦うというシーンは1瞬も無い。
逆に言えばそれだけ太刀打ちが出来ない存在として描かれているとも言える。
生き物の大量出現を駆除するではなく、なすすべない天災が治まるのをジッと待つという感じだ。
そう考えればわかりやすい映画だ。
運悪く逃げ遅れた主人公たちはいかにしてこの天災から身を守るか…ということだ。
次に問題として挙がるのは、人類の対応の悪さだ。
15年前の過去にも同じ事例があったという前提で、魔物がやってくるというゲートの管理・避難所の手配これらがザル過ぎるだろ。
堂々と開けっ放しのゲートに予約完全無視の避難所とかバカかと(笑)
人類をピンチに立たせるためのご都合展開とはいえツッコミ所が無理矢理すぎて笑える。
総括としては、予算の少なさが作品の良さを潰している勿体ない作品という感想。
観る前は魔物の大群出現にワクワクしたのですが、実際は籠城展開が多くて魔物の大暴れする様をあまり見ることが出来なかったのが惜しいと感じた。
ただクリーチャーを出し惜しみしない姿勢は素晴らしいと思う。


関連記事
スポンサーサイト



  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

レンタル新作紹介:2017/07

ブラッディ・ホワイト 白の襲撃者たち

comment iconコメント

comment avater

-

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

2023年06月14日 22:40

コメントの投稿



trackback iconトラックバック

トラックバックURL:

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)